Tuberactinomycin-Nによる肺結核の治療成績

概要

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多剤耐性有空洞肺結核41例を対象とし, この研究開始直前に用いられていた経口投与の抗結核剤に新抗結核剤Tuberactinomycin-N (TUM-N) を加えて6カ月間治療し, その治療効果ならびに副作用について検討した。TUM-Nは原則として1日1回19を初めの3カ月間は毎日, その後は週2日筋肉内に注射した。<BR>1. 併用薬剤に感受性が認められずTUM-N単独治療とみなしうる症例14例における培養陰性化率は1カ月42.9%, 6カ月28.6%であり, TUM-Nと感受性の薬剤とを併用した16例では1カ月62.5%, 6カ月72.7%であつた。<BR>2. TUM-N治療中にaudiometryにより8, 000c/sで20db以上の低下の認められたものは40例中1例 (2.5%) のみであつた。検尿成績については, 1例に一過性の軽度の蛋白尿を認めたにすぎなかつた。そのほかの副作用としては, 耳鳴りと発疹が各1例に認められた。<BR>以上のごとく, TUM-Nは副作用が少なく, 聴力低下の出現頻度も低く, 連日使用の可能なことは抗結核剤として本剤に有利な点であると考えられる
日本結核病学会の論文