ドブネズミ(Rattus norvegicus)におけるエンテロトキシン陽性ブドウ球菌の保有状況および分離株の各種性状
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概要
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ブドウ球菌食中毒とネズミとの関係を研究するため,人家および海堡に生息するドブネズミ(以下人家ネズミ,海堡ネズミと略称)における黄色ブドウ球菌(以下ブ菌と略称),とくにエンテロトキシン(以下Entと略称)陽性株の保有状況および各種性状を検討し,次のような成績をえた。1) 人家および海堡ネズミからのブ菌検出率は,それぞれ193匹中87匹,45.1%, 207匹中74匹,35.7%であつた。両者ネズミとも,盲腸,皮膚,直腸からの検出率が高かつた。人家ネズミの皮膚では夏および秋の検出率が,冬および春のそれに比べ有意に高かつた(P<0.01)。2) Ent陽性ブ菌の保有率は,人家ネズミで全検査例中の3.6%,海堡ネズミで2.9%であつた。人家ネズミ由来Ent陽性14株のEnt型はすべてA型であり,海堡ネズミ由来の10株はD型4株,C型3株,A型,B型,ACD型各1株であつた。これらの多くは盲腸,皮膚あるいは直腸からの分離株であつた。季節別のEnt陽性ブ菌保有率には,人家ネズミおよび海堡ネズミとも,有意の差はなかつた。3) 人家および海墜ネズミ由来のEnt陽性株のすべてが黄色々素を産出し,ほとんどがβ溶血素を産生し,リパーゼおよび卵黄因子陽性であり,ファージ型別不能であつた。人家ネズミ由来Ent陽性株がすべて抗生物質(PC, SM, TC, CM, OL, EM)に感受性を示したのに対し,海堡ネズミ由来株ではPCあるいはSMに耐性のものが多かつた。
- 日本細菌学会の論文
著者
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加藤 英一
北海道大学獣医学部獣医公衆衛生学教室
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加藤 英一
鳥取大学農学部獣医公衆衛生学教室
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森 實
神奈川県衛生研究所
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浜田 輔一
北海道大学獣医学部獣医公衆衛生学講座
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Kato E
Department Of Veterinary Public Health Faculty Of Agriculture Tottori University
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Kato E
Department Of Veterinary Public Health Faculty Of Agriculture Tottoriuniversiy
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Kato Eiichi
Department Of Public Health Faculty Of Veterinary Medicine Hokkaido University:(present Address) Dep
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Kato Eiichi
Department Of Public Health Faculty Of Veterinary Medicine Hokkaido University:(present Address) Dep
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森 實
神奈川県衛生研究所食品微生物科
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加藤 英一
北海道大学獣医学部獣医公衆衛生学講座
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