歯垢染出錠使用時のエリスロシンの口腔内残量について
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概要
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小学校3学年の児童40名を対象として, B社製エリスロシン含有歯垢染出錠を用いて, 4つの方法で歯垢染色を行なった。エリスロシンの口腔内残量は, 1分間用いる2つの方法 (第1法および第2法) では, エリスロシンのおよそ40%, 20秒問用いる場合 (第3法および第4法) は, およそ37〜34%であった。これらのうち歯垢染出錠を3回噛んで, 口中にゆきわたらせ, 20秒後吐出す第4法は, 1分問用いるどの方法よりも, 有意差をもって少なかった。20秒間用いる方法は, 1分間用いる方法よりも, いくぶん染色状態の劣る場合もあったが, 小学校などで, 歯垢の附着状態を判定するには十分な程度であった。使用時間が20秒以下では染出程度は不良であったので, エリスロシンの口腔内残量を少なく, かつ歯垢の附着状態を判定するには, 第4法がまさっていると考えられた。一般に行なわれている歯垢染出錠の応用方法でも, 安全性は高いものと考えられるが, その使用にあたっては, 口腔内残量を可及的に少なくするための配慮が必要と考えられる。
著者
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郷 義明
日本大学歯学部矯正学教室
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山田 茂
日本大学歯学部矯正学教室
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多島 仁
日本大学歯学部矯正学教室
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堀内 和夫
日本大学歯学部矯正学教室
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升谷 佐代子
日本大学歯学部矯正学教室
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小野 房子
日本大学歯学部矯正学教室
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