ポリ(テトラヒドロフラン)アイオネンの溶液粘度と2,3の固体物性

概要

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テトラヒドロフランのリビングカチオン重合を行い, ジメチルアミンとの反応によってジメチルアミノ末端ポリマー(AT-PT)を得た. AT-PT単独あるいはAT-PTとN,N,N′,N′-テトラメチルプロパンジアミンの混合物とα,α′-ジクロロ-p-キシレンとの鎖延長反応によりポリ(テトラヒドロフラン)アイオネン(PTI)を合成した. PTIの水溶液及びメタノール溶液の粘度は高分子電解質に特有の挙動を, クロロホルム溶液は通常の高分子としての性質を示した. PTIフィルムは水蒸気とヘプタン蒸気の両方を良く吸着し, 対アニオンは水の吸着には影響するが, ヘプタンの吸着はポリエーテルセグメントに起こり, 対アニオンはほとんど影響しないことが判明した. また, PTIフィルムは水蒸気透過係数が2〜3×10-9gcm/cm2s cmHgと, ジエン系ゴムに比べて非常に大きな値であった. 以上のような結果から, PTIが両親媒性, すなわち第四窒素と対アニオンに基づく親水性とポリ(テトラヒドロフラン)セグメントの疎水性の両方の性質を示し, 特に親水性に対しては対アニオンの種類が影響を与えることが明らかとなった.
社団法人日本ゴム協会の論文