フッ素紀ゴムとニトリルゴムの加硫接着
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概要
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近年, 自動車の燃料配管系ゴム部品は耐熱性や耐燃料油性の向上が望まれている. これらの性能を満足するゴム材料としてフッ素ゴムがある. このフッ素ゴムは非常に高価であるため, 燃料と接する必要な部分に薄層として使用し, その外側に従来のニトリルゴムを適用することを考えた. このためフッ素ゴムとニトリルゴムとの加硫接着を検討した. その結果, 両者を接着させるには(i)ニトリルゴム側に金属化合物として水酸化カルシウムを20部添加し, 次に(ii)フッ素ゴム側に加硫促進剤の有機フォスホニウム塩を2.9部に増量し, 更に(iii)ニトリルゴムにジエチルアミノ基を有するメタクリレートと共重合したニトリルゴムを用いることである. このようにして得られたフッ素ゴムとニトリルゴムとの加硫接着はゴム破壊に至るほどの接着性を示した. このときジエチルアミノエチルメタクリレートを8.5wt%共重合したニトリルゴムが最適の接着性を示した. またフッ素ゴムとニトリルゴムの共架橋の機構について若干の考察を行った.
著者
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杉本 正俊
豊田合成(株)
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奥本 忠興
豊田合成(株) 材料技術部
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寺島 清光
豊田合成(株)技術部
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市川 昌好
豊田合成(株)
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黒崎 俊樹
豊田合成(株)
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奥本 忠興
豊田合成(株)
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寺島 清光
豊田合成(株)
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