アリルグリシジルエーテル含有エピクロルヒドリン-エチレンオキサイド共重合ゴムの耐オゾン性
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概要
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燃料配管系外皮ゴム材料として, クロロプレンゴム(CR)やクロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)が用いられているが, これらの材料は耐熱性や耐オゾン性において必ずしも充分とはいえない. エピクロルヒドリンとアリルグリシジルエーテルとの共重合ゴム(AGE-CHR)はエピクロルヒドリンゴム(CHR)の耐熱軟化劣化性を向上し, 自動車の排ガス対策に伴う部品の高温化対策に使用された. このAGE-CHRのアリルグリシジルエーテル(AGE)が耐熱軟化劣化性の向上に効果があることを考えると, エピクロルヒドリンとエチレンオキサイド及びAGEとの共重合ゴム(AGE-CHC)は耐熱軟化劣化性と共に耐オゾン性に擾れることが期待される.AGE-CHCの150°Cにおける300時間後の硬さ変化はAGE含量の増加と共に小さくなった. また燃料油D(イソオクタン/トルエン=40/60)に70時間浸せき後, 120°Cにて70時間熱老化後の動的オゾン試験によるき裂発生時間はAGE含量の増加に比例して単調に長くなった. AGE含量8モル%のAGE-CHCのオゾンき裂発生時間はエピクロルヒドリン-エチレンオキサイド共重合ゴム(CHC)と比べて約9倍になり, AGEの耐オゾン性への効果を示した. このAGE-CHCの燃料浸せき及び熱老化後の耐オゾン性はCRやCSMと比較して抜群に優れており, 長時間(1000時間)の動的オゾン試験において, き裂の発生は全く観察されなかった. また, このAGE-CHCが耐オゾン性に優れる機構について若干の考察を行った.
- 社団法人 日本ゴム協会の論文
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