滬紙電気泳動法による加硫ゴム中のゴム老化防止剤の識別
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概要
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前報に述べた滬紙電気泳動法によるゴム用老化防止剤の検出法を応用して加硫ゴム中に存在する老化防止剤の分離および確認を行なう方法について研究した. 細断した加硫ゴム試料をアセトンによって抽出し, 抽出液からアセトンを留去, 乾燥後, アミン系老化防止剤が含まれている場合は乾燥物を酢酸に溶解し, フェノール系老化防止剤が含まれている場合はこれをエタノールまたはエタノール性水酸化ナトリウム溶液に溶解した. p-ジアゾベンゼンスルホン酸とのカップリングによりアゾ色素を生成させた後, 滬紙電気泳動を行なわせた. 適当な時間通電した後, 滬紙上における呈色とその移動距離を観測することによってアミン系老化防止剤については, 加硫ゴム中に単独に配合されている場合はもちろん, 2〜3種が混合して存在する場合においても, それぞれ容易に分離および確認することができた. 2〜3のフェノール系老化防止剤が混合して存在する場合においては分離不可能の時もあった. 加硫促進剤あるいはその他の配合剤の存在が上記の分析法に与える妨害作用はアルデヒド•アミン系促進剤を使用した時以外には認められなかった.
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