低変形におけるゴムの応力-ひずみ曲線について
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概要
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前報1)で示した補正値f0の性質をさらに検討し, f0が二次結合の寄与によるものであることを認めた. f0は伸張度の小さいときには伸張度とともに変化するので, 低伸びではf0のかわりにf2を用いた. 実験の結果(1)補正値f0は天然ゴムでは0.8kg/cm2, 乳化重合法ポリブタジエンでは1.0kg/cm2, 結合スチレン23.5%のSBRでは約1.6kg/cm2であった. (2)補正値の対数は, 測定時の絶対温度の逆数と比例関係にあった. (3)f2/(α-1/α2) は exp{-(α-1)} と直線関係にあった.f2を弱い網目、おそらくは分子間の凝集エネルギーに基づく網目による応力と考えることにより、実験事実をうまく説明することができた. すなわち, 応力fは次式で示される.f=(ν1+ν2)RT(α-1/α2)ν2=N0C exp (E/RT) exp {-(α-1)}, f0=N0C exp (E/RT)ここでν1, ν2 R, N0, EおよびCはそれぞれ, 一次結合濃度 (mol/cc), 二次結合濃度, ガス定数, ゴムのセグメント数, 凝集エネルギーおよび定数である.
- 社団法人 日本ゴム協会の論文
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