Aspergillus amstelodamiに関する研究(第4報) : ascosporeの発芽に及ぼすアミノ酸,無機窒素化合物および硫酸塩類などの影響
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概要
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Aspeygillus amstelodamiのascosporeを種々の物質を含む合成培地で振りまぜ培養を行ない,次の諸結果を得た. (1) A. amstelodamiの水洗したascospore(以下胞子と称する)はグルコース溶液,リン酸塩溶液中では発芽せず,両者が共存するPG培地中では発芽した.培地の糖濃度に対する胞子の発芽率曲線と菌体の生育曲線はよく一致し,両者とも糖濃度40〜50%付近で最大値を示した. (2) PG培地中での胞子発芽の際の膨化,発芽管の伸長は天然培地中でのそれらにくらべて貧弱な形態を示すが, PG培地(グルコース15%)に酵母エキス,ペプトン,カザミノ酸を加えると胞子の膨化の度合も発芽管の伸長も天然培地中のものと同様になり,カザミノ酸が特にすぐれた効果を示した. (3) PG培地に1mg/mlのL-アルギニンを加えると胞子はよく膨化するが,この段階に留まり,さらに発芽管を伸長するためにはSO4=の添加が必要であった. L-アルギニン, SO4=の上述の効果は養胞子の乾物量と窒素含有量の増加の測定結果からも確かめられた. PG培地にアルギニンとMgSO4を加えた培地は菌体の生育をも支持した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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