Aspergillus amstelodamiに関する研究(第6報) : ascosporeの細胞壁中のβ-fructofuranosidaseがキチンと結合して存在する可能性について
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概要
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Asp. amstelodamiのascosporeの細胞壁標品は10mM, pH 6.0のリン酸緩衝液で洗浄したascosporeの示すインベルターゼ活性の約80%の酵素活性を示した. この細胞壁標品をpH 8, 300mMのリン酸緩衝液で抽出すると,結合しているインベルターゼの溶出が起った. この細胞壁標品から,できるだけタンパク質を除いたもの,あるいはキチンはascosporeから抽出精製したインベルターゼと低濃度緩衝液中でよく結合する.この結合させたインベルターゼの再抽出の条件と細胞壁自体の保持するインベルターゼの抽出条件はよく一致し,抽出に用いる緩衝液のpHと濃度に大きく影響される. またキチンはインベルターゼのみならず,ミルクカゼイン,タカジァスターゼのようなタンパク質ともよく結合することが示された. 以上のことから, ascosporeのインベルターゼは,細胞壁区分にキチンと結合して存在するのであろうと考察した. なお,キチンが酵素の精製にも利用され得ることを示した.
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