高圧電場による種子消毒の可能性について
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概要
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パルス状高圧電場による,植物種子の消毒の可能性について検討を加えて以下の知見を得た.植物種子としてササニシキ(Oryza sativa cv. Sasanishiki),病原菌としていもち病菌(Pyricularia oryzae Ken 62-42)を用いた.ササニシキの籾,いもち病菌の分生胞子とも水に浸漬した後,発芽力を抑えられる電気刺激に最も弱い時間帯,つまり電場感受性点を持つことが見出され,ササニシキの玄米では,浸漬前の水分含量が少ないほど遅く現れた.また籾は,それよりさらに遅く現れた.いもち病菌の電場感受性点は,分生胞子を水に浸漬してから約30分後に現れた.ササニシキの籾を, 30分水に浸漬してから電圧1.5kVで10回印加を行ったが,発芽率は抑制を受けなかった.しかし,これよりゆるやかな条件で,いもち病菌の菌糸,および分生胞子の発芽は抑制された.これらのことより,パルス状高圧電場に対する生物種の感受性差から,高圧電場による植物種子の消毒の可能性が示唆された.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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