グルタミン酸発酵原料のケインモラセスに含まれる蔗糖の転化に用いるアルギン酸固定化インベルターゼの大量製造方法の開発
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概要
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工業的なグルタミン酸発酵において,ケインモラセスに含まれる蔗糖をあらかじめ転化した場合に発酵収率の向上が認められていた.この知見の実用化を目的として,アルギン酸によって固定化されたインベルターゼを用いた,ケインモラセスに含まれる蔗糖の転化処理プロセスの開発に着手した.その第1段階として,固定化酵素の大量製造方法について検討した.新規に作製した押出し切断機の最適な製造条件を探り,以下の知見を得た. (1) 固定化酵素粒子の長さは,アルギン酸ソーダ溶液の押出し流量にほぼ比例し,切断回転刃の回転数にほぼ反比例する. (2) 回転数を一定値(600rpm)以下に設定すれば安定な形状の粒子が製造できる. (3) 粒子の長さ4mm,直径1.4mmの固定化酵素を得る安定な製造条件を見出した. (4) 室温下における運転が可能であり,固定化液として反応原料であるケインモラセスを直接利用できた. (5) 本方法で製造した固定化酵素粒子の酵素活性は実験室で製造した物と差がなかった.また,ケインモラセスを用いた連続酵素反応試験にて30日以上にわたり蔗糖転化活性の低下はなかった.
著者
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吉村 実
味の素株式会社生産技術研究所
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吉井 寛依
味の素株式会社生産技術研究所
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引馬 基彦
味の素株式会社生産技術研究所
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小山 洋介
味の素株式会社生産技術研究所
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小花 春男
味の素株式会社生産技術研究所
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