クスノキ若年木の樹幹の精油成分
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概要
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(1) 日本専売公社樟脳試験場から得た鹿児島産クスノキ母樹からの種子を,自ら播種育成した樹令14年のクスノキ若年木のうちの4本から材油を採取して,その成分を検索した. (2) 材油の収油率は1.45%,35成分の存在を確認し,その30成分を証明したが,d-camphor, 1,8-cineole,およびsafroleを主成分とすることに変りはなく,この3者で80.6%,このものにlimonene,β-pinene, terpinen-4-ol, α-terpineolなどの含率を加えれば93.2%となり,他の成分はいずれも少量にすぎない. 上述のものが,クスノキ材油の主要成分であることは間違ない. (3) この材油にも0.1%程度のlinaloolの存在が証明されたことは,linaloolをモノテルペン化合物の母体と考える立場から見て,きわめて興味が深い. (4) また工業生産物中に証明された微量成分の多数が,きわめて微量ながら若年木の材油中にも証明されたことは,生物化学的に精油成分を考えるうえで大きな前進である.これらの微量成分もまた,クスノキ中の必須成分とみなし得る. (5)なお,参考のために本若年木の精油中に証明されたセスキテルペン化合物の発現関係を図示した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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