シバニッケイの精油成分(その1)
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概要
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1.奄美大島以南に産するシバニッケイの精油成分をトカラ列島の横当島以北に産するマルバニッケイおよび台湾南端の恒春半島の海岸のみに産するハマグスの精油.成分と比して,その化学系統学的意義を追究した. 2. 本シバニッケイは,精油の収率生試料に対して0.08%,主成分としてl-linaloo 45%を含み,.このほかα-pinene 4.2%, camphor 4.6%,セスキテルペンとしてα-,β-santalene 11%を含むが,フェノールエーテル類はsafrole 0.2%,methyleugenol 0.7%, eugenol 2.3%の少量である. 3. このものは,その精油成分および地理的分布からすれば,台湾残存のハマグスからマルバニッケイとともに各別に分化して,沖縄列島に分布するもので,一方マルバニッケイはトカラ列島から屋久島,種子島,九州の性多岬,野母崎,男女列島および宗像大農にのみ産する.すなわちマルバニッケイの方が,より北部まで分布するクスノキ属の残存植物である(5). 著者らは主として,わが国の南島各地に産するこれらシバニッケイ,マルバニッケイ,その他のきわめて興味深いクスノキ属植物の精油について,すでに採集採油をおわり(6),引き続きその精油成分の追究を進めつっある.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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