徳島県麻植郡森山,鴻の山出土のクスノキ遺体の精油成分
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概要
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(1) 徳島県麻植郡森山村,鴻の山で出土された確実なクスノキ遺体木の精油成分が,詳細に検索された. (2) Acetylbromide法による年代測定はB. P. 2.5万年を示し,後氷期中期のものであることが示された. (3) 油分の収率は2.28%,d-camphor 81%,d-borneol 3%, isoborneol 1%を含み, safroleの含率は0.4%にすぎなかった. (4) このd-camphorとd-borneolには,約8%の比旋光度の低下が観察された.また,isoborneol 1%aの存在が証明されたことも注目すべきことで,これらはすべてpost-mortem反応によるものと考えられる. (5) なお,本油分中のsafrole含率がきわめて少ないことも,またはなはだ注目すべき現象である.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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