ヒマ発芽種子胚乳のNADP共役イソクエン酸脱水素酵素に関する研究(第1報) : 精製とその性質
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概要
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ヒマ種子を暗所, 30°で発芽させ胚乳のIDH活性変化を調べた. NAD共役IDHは検出できなかった. NADP共役IDH活性の大部分は可溶性分画に存在し,第1日目で最高値の60%近い活性を示す. 3日目には活性がやや低下するが,その後は急速に活性が強まり,6〜7日目に最高に達しそして減じる.ミドコンドリア分画の活性は発芽につれて徐々に強まり, 7〜8日目頃に最高に達し以後弱くなる.胚乳の可溶性分画からNADP共役IDHを部分精製し,比活性を約55倍高めその諸性質について検討した. (1)至適pHは8.4〜9.0でpH 8.0にてイソクエン酸に対するKmは7.2×10-6Mであった. (2)酵素活性はクエン酸, α-ケトグルタル酸グルコース-6-燐酸によって阻害され,その阻害様式は基質に対して拮抗的であり,活性を50%阻害するに要する量Kiはそれぞれ8×10-4M, 3×10-4M, 3×10-3Mである. ATPは混合型阻害剤として作用する. AMPによっても阻害されるが,その阻害は極めて弱い. (3)クエン酸,α-ケトグルタル酸, ATPはMg2+と化合物を作ることが知られているけれども, EDTAを用いた実験から,これらによる阻害は酵素活性発現に必要なMg2+量の減少によるものではない.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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