麦茶の香気に関する研究(第3報) : 麦茶の揮発性モノカルボニル化合物について
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概要
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麦茶香気抽出物に,2,4-dinitrophenylhydrazine塩酸溶液を加えると特徴ある香気の一部が消失し,香気の変化することを知った.麦茶香気のカルボニル化合物を2,4-DNPHとして捕集し,ガスクロマトグラフで検索を行ない,14個のピークを認めた.このピークを指標として,カラムおよび薄層クロマトグラフィーによりこれら誘導体の単離を行ない, methanal, ethanal, 2-methylpropanal, propanone, 2-methylbixtanal, 2-butanone, 3-pentanone, 2-methyl-3-pentanoneの2,4-DNPHおrよびfurfural, 5-methyifurfuralのsyn型およびanti型2,4-DNPHを合せ12個の成分を単離同定した. 2-Methyl-3-pentanoneはmentholようの香りをもち,うすいときには甘い香りと味をもち,麦茶の香味を特徴づける物質の1つと思われる.furfuralおよび5-methylfurfuralは桂皮アルデヒドようの香りをもち,その他のalkanalとともに麦茶香気に関与し,さきに報告した酸性部香気であるマルトール,イソマルトール,バニリン,およびフェノール類縁物質などとともに麦茶の香気を構成するものと思われる.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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