TH-656による温州ミカンの摘果 (第1報) : TH-656 の作用性の検討
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概要
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1. NAA を azolide にした TH-656 が, インゲン第1葉葉柄の葉枕の離脱に及ぼす作用を NAA と比較検討すると共に, 温州ミカンの摘果効果について検討した。2. インゲン葉柄切片の proximal end に処理した場合, TH-656 は葉枕の離脱を NAA とは反対に阻害する作用を示した。そして, TH-656 は濃度を 10-12M まで下げても, NAA にみられる離脱の促進作用はみられなかつた。3. 葉柄切片からの葉枕の離脱に及ぼす,TH-656 および NAA の接触時間の影響についてみたところ, proximal end に処理した場合, TH-656 は接触時間の増加にしたがつて離脱を阻害した。しかし, NAA は3時間の接触では離脱を阻害したが, 6時間以上の接触ではむしろ促進した。4. Distal end に処理した場合, TH-656, NAA 共に葉枕の離脱を阻害した。5. TH-656 を早生温州ミカンに散布した場合の摘果効果は, その濃度によく比例しており, 散布濃度を適宜選ぶことによつて, 摘果を任意に調節することのできる, 優れた摘果剤となる可能性を示している。6. TH-656 は早生温州ミカンの満開後10日および30日散布のいずれにおいても, 高い摘果効果を示した。すなわち, TH-656 の 50ppm 処理と NAA 200ppm 処理とはほぼ同等の効果, また, TH-656 の 100ppm はNAA 300ppm とほぼ同等の効果を示した。7. TH-656 の高濃度 (200〜400ppm) 処理区は全摘果の状態を示した。しかし, 枝, 葉および果実に対する薬害は認められなかつた。
- 園芸学会の論文
著者
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野間 豊
千葉大学園芸学部
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岩崎 桂三
武田薬品工業株式会社農薬事業部農薬研究所:(現)農薬事業部開発部
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萩本 宏
武田薬品工業・研究開発本部
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永沢 勝雄
千葉大学園芸学部
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岩崎 桂三
武田薬品工業(株) 農薬事業部
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岩崎 桂三
武田薬品工業株式会社, 農薬事業部農薬試験部
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