温州ミカンに対する摘果剤 1-naphthylacetic acid (NAA) の作用機構に関する研究 (第1報) : 温州ミカン葉における 1-naphthylacetic acid (carboxyl 14C labelled) の浸透ならびに幼果, 結果枝への転流
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概要
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1. NAAの温州ミカン葉, 枝および幼果への浸透, 転流の様相を明らかにするため, 1-naphthylacetic acid (carboxyl 14C labelled) (以下NAA-1′-14Cと略称) を含むNAA-Na 300ppm水溶液を結果枝の第1葉に附着させ, 各部位の14Cを定量することによつてNAAが葉に吸収され, 枝および幼果へ移行することを明らかにした。2. NAA-1′-14C水溶液附着葉表面の全14C残存割合は, 処理4時間後で71%, 8時間後では64%となり, 24時間後には54%となり, 葉中の残存14Cの割合とほぼ同じとなつた。3. NAA-1′-14C水溶液附着葉内の14Cの含有割合は, 処理2時間後では7.6%であつたが, 4時間後では14.6%, 8時間後には53.5%と急激に増加し, 24時間後には54.5%とほぼ一定であつたが, 48時間後には43.6%と若干減少の傾向を示した。4. 第1葉に処理したNAA-1′-14Cの第2葉への移行率は, 処理2〜4時間後では0.4%, 8時間後では0.7%となりピークを示し, 24時間後, 48時間後ではそれぞれ0.5%, 0.3%となつた。5. 同じく幼果への移行率は, 処理2時間後で3%, 4時間後で15.1%となり, 8時間後, 24時間後, 48時間後では, それぞれ7.2%, 5.2%, 2.7%と減少の傾向を示した。6. NAA-1′-14Cを含むNAA-Na 300ppm水溶液のスポットによる温州ミカン葉のラジオオートグラムの結果, 葉脈にそつて影像がみとめられ, 葉全体を浸漬し, 2時間および3時間後に移行をとめたものについては, 処理葉をはじめ, 枝, 幼果にも影像がみとめられ, その吸収経路を明らかにすることができた。
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