カーネーションのマンガン過剰症に関する研究 (第3報) : 培養液のマンガン濃度が生育, 開花に及ぼす影響

概要

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カーネーションの品種‘コーラル’を, Mnをそれぞれ0, 0.5, 5, 10, 20, 30, 60, 90, 150, 300ppm含む培養液で砂耕栽培した. 定植から開花までの日数は, 培養液のMn濃度によつて影響されなかつたが, 生育はMn濃度30ppm以上で抑制された. Mnは葉に最も多く含まれ, ついで茎で, 花弁が最も少なかつた. これらの部位のMn含量は, 培養液のMn濃度が0から300ppmと高まるにつれて著しく増加した. 葉先の枯死症状はMn濃度60, 90, 150. 300ppm区の上位葉に処理後約120, 110, 50, 40日目にそれぞれ認められた. その後150ppm及び300ppm区では, この症状は中部位から下部位までの葉に現われた. Mn過剰症をもたらす培養液の最低濃度と葉のMn含量は, それぞれ60ppm及び約2,600ppmであつた.これらの症状は, 培養液のMn濃度60ppm以上では, 葉のMn含量と高い関連があつた. Mnの分布は, 中位葉でやや少なかつた. Mn以外の葉の成分はMn濃度によつて影響されなかつた. しかし, 葉のFe:Mn比は培養液のMn濃度が高まるにつれて減少した.
園芸学会の論文