砂耕及び土耕栽培におけるバラの耐塩性

概要

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希釈した海水がバラの品種‘Sunlight’の生育と開花に及ぼす影響を明らかにするため実験を行った. 1年生の‘Sunlight’のさし木苗とノイバラ台につぎ木した苗を, 砂または土壌を詰めた木箱(40×40×20cm)に定植した. 海水は砂耕ではホーグランド液で, また土耕では水道水でそれぞれ希釈した. 各溶液は0, 100, 250, 500, 1000, 2000, 3000ppmのClを含んだ. 処理は1974年4月30日に開始し, 約60日間行った. 塩害は0, 100, 250ppm Clではいずれの処理区でもみられなかった. つぎ木苗においては, 塩害は砂耕, 土耕ともに500ppm Clでみられた. しかし, 自根苗では砂耕で500ppm Cl, 土耕で1000ppm Clで塩害が観察された. そして, 海水のCl濃度が1000ppmから3,000ppmと高まるにつれて著しくなった. 葉脈間クロロシス, 葉縁や葉先きのかっ変と枯死などの症状は, 最初下位葉に現われ上部へ進行した. 塩害が著しい個体ではその症状が新しょうにまで進展した. 一般に塩害は土耕より砂耕において, また自根苗よりつぎ木苗において激しく, また旧葉及び新葉のNa, Cl含量と高い相関があった. 土壌のCl, 置換性K, Mg, Na含量及びECは海水のCl濃度が高くなるにつれて増加した.
園芸学会の論文