ウンシュウミカン果実の成熟に伴うペクチン質含量の変化
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概要
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1973年9月3日から1974年1月28日まで, 約15日ごとに18年生の早生ウンシュウミカン ′興津早生′ 及び普通ウンシュゥミカン′シルバーヒル′の果実を採取し, 成熟に伴う果皮, 果肉 (果汁, 砂じょう膜の混合物) 及びじょうのう膜のペクチン質組成の変化を調査した.早生ウンシュウミカンの果皮中ヘキサメタリン酸ナトリウム可溶性ペクチン質含量は調査期間中やや増加する傾向にあった. しかし, か性ソーダ可溶性ペクチン質の含量は, 9月上旬から12月上旬までの間緩やかに減少し, その後やや増加する傾向にあった. 果肉では水溶性ペクチン質及びヘキサメタリン酸ナトリウム可溶性ペクチン質の含量は, 9月上旬から11月上旬までほぼ一定で, その後12月下旬には著しい増加を示した後, 翌年1月下旬までやや減少した. 果肉のか性ソーダ可溶性ペクチン質含量は, 9月上旬から翌年1月上旬まで顕著に増加した.じょうのう膜では水溶性ペクチン質, ヘキサメタリン酸ナトリウム可溶性ペクチン質含量はともに9月上旬から翌年1月上旬まで緩やかな増加を示した. か性ソーダ可溶性ペクチン質含量は著しい変動を示しながら減少した.普通ウンシュウミカンの果皮中水溶性ペクチン質含量は, 9月上旬から12月上旬までの間緩やかな増加を示し, その後翌年1月にかけて徐々に減少した. ヘキサメタリン酸ナトリウム可溶性ペクチン質とか性ソーダ可溶性ペクチン質含量はともに9月上旬から11月下旬まで徐々に減少し, その後ほとんど一定であった. 果肉の水溶性ペクチン質及びヘキサメタリン酸ナトリウム可溶性ペクチン質含量はともに9月上旬から10月中旬まで徐々に減少し, その後翌年1月上旬までほとんど変化しないで1月下旬には増加した.果肉のか性ソーダ可溶性ペクチン質含量は9月上旬から10月下旬まで著しく減少し, その後翌年1月下旬に向けて顕著な増加を示した. じょうのう膜の水溶性ペクチン質含量は11月下旬まで緩やかに増加し, その後翌年1月まで緩やかに減少した. ヘキサメタリン酸ナトリウム可溶性ペクチン質含量は9月上旬から12月下旬まで緩やかに増加し, その後減少した. か性ソーダ可溶性ペクチン質含量は9月上旬から翌年1月下旬まで減少した.
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