ニホングリ (Castanea crenata Sieb. et Zucc.) の胚珠の発育について
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概要
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クリの雌花の柱頭突出時から果実の収穫期に至る間の, 子房•果実の外部及び内部形態の変化を観察, 調査した.1. りん片で覆われた雌花の中心子房から柱頭の突出が見られたころ, その子房内では胚珠はまだ形成されておらず, 子室と突起した胎座だけが認められた.2. 雌花のりん片の間から刺毛が発生し始め, 真っすぐ立っていた花柱が開き始めたころ, 将来胚珠を形成する各胎座の分裂組織は発達途中であり, その後1週間ほどして外珠皮, 内珠皮, 珠心及び珠柄から成るほぼ完成した胚珠が認められた.3.‘丹沢’,‘伊吹’,‘大和早生’,‘筑波’の中果の子室数は約8〜9で, 側果は中果より約1室多かった. 胚珠は1室内に2個存在しており, 主として供試した‘大和早生’の中果では8室で16個の胚珠が認められた.4. 7月下旬, 刺毛の発達が著しくなり, 柱頭に褐変が見られるようになったころ, 果実内でも胚珠の珠心部に褐変が生じた.5. 8月上旬, 果実内のほとんどすべての胚珠の珠心に褐変が認められるようになり, 8月中旬, 1個だけ肥大した胚珠が認められた. 8月下旬から, 肥大胚珠は子室内を上部から下部に向かって急速に伸長•肥大し, 子室内のすきまを埋めていった. この肥大胚珠の生長に伴い, 退化•褐変した残りの胚珠は毛茸が密生した果皮の側壁に押し付けられた.
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