ブドウ巨峰果皮におけるアントシアノプラストの分布と形成
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概要
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1.果皮の表皮細胞, 表皮下第2層細胞とも着色開始1週間後の9月5日からACPを持つ細胞が認められ, それらの出現率は漸次増加して, 9月22日には両者とも100%に達した. 一方, 出現細胞当たりのACPの数は表皮下第2層細胞でかなり多く, 9月5日では表皮細胞, 表皮下第2層細胞それぞれ10個, 135個で, 9月22日にはそれぞれ8個, 74個であった.<BR>2.ACPは, 表皮細胞, 表皮下第2層細胞とも1個が急速に肥大した. 他のACPは表皮細胞では徐々に肥大したが, 表皮下第2層細胞では肥大がなかった.ACPの出現率が100%に達した9月22日の表皮細胞と表皮下第2層細胞における最大ACPの直径はそれぞれ0.013mm, 0.014mm, 他のACPの直径はそれぞれ0.005mm, 0.003mmであった.<BR>3, 着色開始前の8月23日に採取•培養した果粒は,果皮表皮細胞では若干ACPを持つ細胞が認められたものの, その割合は0.5~7.0%とわずかで, ACPの直径も最大で0.006mmであった. 一方, 表皮下第2層細胞では培養期間を通じてACPを含む細胞はまったく認められなかった.<BR>4.培養した果粒のアントシアニン含量は, 培養開始後急速に増加し, 培養6日後では, 露地栽培の果粒で最初にACPが出現した9月5日のアントシアニン含量よりも多くなった. また, 培養10日後では, 露地栽培の果粒でACPの出現細胞の割合が100%に達した9月22日のアントシアニン含量の約2倍であった.<BR>5.着色不良果のACPを持たない果皮表皮細胞にアルカリ液を滴下•浸透させると, アルカリ液の液胞内への浸透に伴って液胞が大きく変形し壊れたが, その直前, きわめて多数のACPが一時的に形成された.
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