主成分分析及びクラスター分析によるサザンカ品種の形態的分類
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概要
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サザンカの園芸品種を分類する目的で, 形態的特性44形質を用いて主成分分析及びクラスター分析を行った.1. 主成分分析における第1主成分はサザンカ及びヤブツバキの種特性を示すと思われる諸形質と極めて相関が高く, 第2主成分は花の大きさや花弁の数など園芸的に重要な諸形質の総合特性値を示すものと考えられた.これらの結果は, 種との類縁関係及び人為的選抜に基づく変異の両面から, 品種の分類が可能であることを示している.2. 各品種のスコアを用いた第1主成分Z1及び第2主成分Z2を両軸とする平面座標上で, 各品種は従来から分類されてきた6群に分けられた. Z1-Z2平面上でハルサザンカ群の品種は自生サザンカとヤブツバキの中間に位置し, サザンカ群, カンツバキ群, タゴトノツキ群の各品種及びユチャは自生サザンカに比較的近縁であることが認められた.3. クラスター分析により広義のサザンカ品種は5群に分類された. これらの結果は従来から広く用いられてきた分類によく一致した. しかし, サザンカ群とカンツバキ群品種は器官の大きさや数など園芸的変異によって区分され, 種との類縁関係による差異は認められなかった. タゴトノツキ群の一品種‘田毎の月’はユチャに極めて近く, 他群の品種とは明らかに区別できた.4. 以上のことから, 長期にわたる種間, 種内交雑及び人為選抜により品種が多様化したサザンカ品種の分類には, 多変量解析法が有効な手段となると思われる.
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