6-ベンジルアミノプリン処理したダイズ加齢種子の発芽促進とtRNA含量との関係

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デシケーターに貯蔵したダイズ種子(タチスズナリ)の加齢種子(1年)と新種子の発芽率を調査したところ,加齢種子では発芽卒の低下が認められた.加齢種子の発芽卒を増加させる目的で加齢種子をO.1ppm,6-ベンジルアミノプリン(6-BAP)で24時間処理し発芽率を調査したところ,6-BAP処理した加齢種子では発芽率の増加が認められた(Fig.1). 加齢種子の発芽不良が吸水力の低下による可能性があるので加齢種子の発芽初期における経時的な水分含量を赤外線水分計により調査した結果,新種子との間に差異は認められなかった。このことにより加齢種子の発芽不良の原因は少くとも吸水力の低下によるものではないことがわかった(Fig.2). 加齢種子の発芽不良や発芽遅延が細胞分裂の停止や遅延によるものなのかを検討するため,新種子と加齢種子の根端分裂組織の第1回細胞分裂頻度を経時的に調査した結果,新種子では浸漬後30時間に第1回細胞分裂頻度の最大値が認められたのに対し,加齢種子では細胞分裂の遅延により38時間に最大値が認められ,同時に細胞分裂頻度も低下した.6-BAP処理した加齢種子では細胞分裂頻度の最大値が34時間以内に観察され,新種子の30時間に接近した.さらに細胞分裂頻度も増加し,新種子に近い値を示した(Fig.3). 細胞分裂の遅延や低下の素因が浸清初期のRNAの変化として観察されることが考えられるので,加齢種子の発芽初期における種子胚RNA含量をOGURROSEN法により定量したが,新種子と加齢種子の間では浸漬後24時間まではRNA含量に差異が認められなかった.
1989-03-01

6-ベンジルアミノプリン処理したダイズ加齢種子の発芽促進とtRNA含量との関係

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