リンゴのヵルスからの器官形成及びプロトプラストの単離, 培養及び細胞融合
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概要
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リンゴ, Malus pumila Mill. の珠心由来カルスの再分化条件について検討した. さらに, リンゴの細胞融合による体細胞雑種作出のために, 珠心カルス及び培養シュートの葉からプロトプラストを単離, 培養し, 両者の細胞融合を行った. その結果の概要を以下に示した.1. 満開後50日に採取した品種‘ふじ’, 台木‘CG 80’の珠心由来カルスから低頻度であるが, 不定胚が形成された. これらの不定胚は0°Cの暗所で6カ月間処理後,25°Cの明所に移したところ, 発芽しシュートを形成した.2. 珠心カルス及び培養シュートの葉からプロトプラストを単離するのに最適な酵素液組成は2% CellulaseOnozuka R-10+0.1% Pectolyase Y-23 又は, 2%Cellulase Onozuka RS+0.1% Pectolyase Y-23 であった.プロトプラスト収量は珠心カルス, 培養シュートともに, 新鮮培地に移植後16〜20日のもので最大となった.しかし, 台木‘M. 26’の培養シュートでは培養後21〜30日のものの方が収量が多かった.プロトプラストの単離に適した酵素処理時間は3〜4時間であった.単離されたプロトプラストは植物生長調節物質を含む8種の培地で, 培養60日後にはコロニー形成した.3. 珠心カルスと培養シュートの葉から単離したプロトプラストを融合した. 雑種プロトプラストは緑色で, 大きさは40〜50μmであった. 雑種プロトプラストと透明な珠心カルスプロトプラストは培養後7〜10日に細胞分裂を開始したが, 葉肉プロトプラストは細胞分裂しなかった. 雑種プロトプラストは数回分裂した時点では, 葉肉プロトプラスト由来の緑色の葉緑体が確認できた. しかし, コロニー形成の過程で, 緑色の葉緑体は徐々に消失した. コロニーはカルスまで生長したが, 雑種かどうか判定できなかった.
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