キウイフルーツの収穫後における自己触媒的なエチレン生成の特徴について
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概要
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収穫後のキウイフルーツに20°Cでエチレン処理し,追熟関連の諸性質を誘導するのに必要な時間•濃度を調べたところ,自己触媒的なエチレン生成にな18時間以上の処理が必要であったのに対し,他の諸性質は15時間以下でも促進された.低温,低濃度の条件(5°C,0.1~10ppm)でのエチレン処理の効果を調べたところ,果肉の軟化,呼吸の上昇および酸含量の低下は明らかに生じたにもかかわらず,自己触媒的なエチレン生成は誘導されず,1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸含量,エチレン星成酵素活性および果実内エチレン濃度の増加は極めてわずかであった.果実を10ppmエチレンで1週間処理後,20°Cに移すと移行直後から急激なエチレン生成の増大が認められたが,濃度が低い場合には移行後エチレン生成の増大は見られなかった.<BR>以上の結果から,自己触媒的なエチレン生成が他の追熟関連諸性質よりも誘導されにくいことが,キウイフルーツの追熟生理の特徴となっていると考えられた.
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