収穫後におけるキウイフルーツのエチレン生成と果実軟腐病の関係について
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概要
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1.5°Cで1~5か月貯蔵後のキウイフルーツを20°Cに出庫し, 軟腐病果由来のエチレンが健全個体のエチレン生成に及ぼす影響と, このエチレンに影響されない, キウイフルーツ本来のエチレン生成の開始時期を知ろうとした.<BR>2.軟腐病個体が生じるエチレンの影響を考慮せず,キウイフルーツを出荷用ダンボール箱に貯蔵した場合には, 出庫後比較的早い時期にエチレン生成が認められた果実はすべて軟腐病果で, 健全果ではこれより遅れて, エチレン生成が始まった.<BR>3.出庫後のキウイフルーツをポリエチレンフィルムで個装したり, 硬質ポリ塩化ビニル樹脂容器内にエチレン吸着剤とともに入れ, 24時間間隔で容器内の空気の交換を行う条件でエチレンの蓄積を防いだ場合には, エチレン生成が認められたのは軟腐病果に限られ, 健全な個体では20°Cに出庫後, 40~60日経過後もエチレン生成はほとんど認められなかった.<BR>4.3.の条件下での炭酸ガスの蓄積, 酸素の減少はわずかで, CA効果で健全果のエチレン生成を抑制し得るほどの濃度ではなかった.<BR>5.健全果の1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸含量, エチレン生成酵素活性, 果実内エチレン濃度は出庫42日後でも, いずれも低レベルのままであった.<BR>6.以上の結果から, キウイフルーツは軟腐病に罹病したり, その果実由来のエチレンの影響がない限り,エチレン生成は起こらないと判断した.
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