アルコール性慢性膵障害に関する研究 : ―特に低蛋白食の影響に関する検討―
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概要
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アルコールおよび低蛋白がラット膵に与える影響について検討した.ラットをコントロール食(Cont)群,アルコール食(Al)群,低蛋白食(Lp)群,低蛋白アルコール食(Lp+Al)群の4群に分け,食餌は投与熱量が等しくなるように液状に調製して経胃管的に強制投与,3,6,12週後に開腹した.その結果,12週後開腹したラットでは,光顕上Cont群以外の3群に膵腺房細胞内脂肪滴を認め,Lp,LP+Al群で孤在性壊死(apoptosis)が観察された.protein plug様物質は全群で観察され,その出現部位と膵腺房細胞障害発生部位に関連を認めなかった.電顕上Lp+Al群において膵腺房細胞障害が最も強く,膵腺房細胞間に間葉系細胞の出現が示唆された.以上よりアルコールはまず直接的に膵腺房細胞に傷害を惹起し,相対的低蛋白食がこれを増悪させると推察された.
著者
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西野 博一
東京慈恵会医科大学消化器肝臓内科
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帆足 誠司
東京慈恵会医科大学内視鏡科
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磯貝 行秀
東京慈恵会医科大学
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河野 通康
東京慈恵会医科大学 内科
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新津 彰良
東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科
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野原 秋男
東京慈恵会医科大学第3内科
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西野 博一
東京慈恵会医科大学第3内科
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関本 健人
東京慈恵会医科大学第3内科
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山田 弘徳
東京慈恵会医科大学第3内科
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富田 秀人
東京慈恵会医科大学第3内科
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大塚 伊砂子
東京慈恵会医科大学第3内科
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室井 忠樹
東京慈恵会医科大学第3内科
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帆足 誠司
東京慈恵会医科大学第3内科
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