四本の長いアルキル鎖を有するビス第四アンモニウム塩類の合成と性質

概要

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二つの第四アンモニウム基がそれぞれ一個のメチル基と二本のドデシル基を有し, それらがアルカンジイル鎖 [- (CH2) m-, m=2〜20] により連結された形の両親媒性化合物, アルカンジイル-a, ω-ビス (ジドデシルメチルアンモニウム=ブロミド) [Cm-Bis (N-2 C12)] を合成した。Cm-Bis (N-2 C12) の相転移温度 (Tc) およびそのべシクルからのプローブの漏出率を検討した。Cm-Bis (N-2 C12) /水系におけるTcはmが2から12と増加するにつれて低下し, その後上昇し始めた。しかしながら, プローブの漏出 (%) はmの値に伴って [2〜4<6<8, 10<12, 14>16>20] のようにTcとは反対の傾向で変化した。これらの結果はベシクル膜の流動性がベシクルの安定性と密接に関連していることを意味する。さらに, 加水分解酵素モデルとしてCm-Bis (N-2 C12) のベシクル用い, アミノ酸エステルの加水分解を行った。幾つかのテトラ-アルキルアンモニウム塩はアミノ酸エステルの加水分解活性を示し, C12-Bis (N-2 C12) は著者らが加水分解酵素モデルとして提案した糖脂質の活性よりさらに高い活性を示した。