Hunt症候群の1例 : 特にその聴覚障害の時期的推移について
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概要
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ハント症候群の1例を報告した. 特にこの例について発症後8日目より完全治癒に至る約4ケ月間の経過を観察して, 聴覚障害の変化を知ることが出来た.<BR>症例は24才男子であり, 右耳痛を以て発症し, ついで顔面神経麻痺, 耳鳴, 難聴, ふらふら感を訴えた.<BR>発症後8日目の所見では, 右耳介に疱疹あり, オージオグラムは左右とも約30dBの水平型で, 自記オージオグラムは4kHzで, TTSを示した. 又温度性眼振は右CP型であつた.<BR>発症後43日目, 68日目, 132日目に同じく検査を行つたが, 疱疹は最も早く消失し, オージオグラムは始め高音部, ついで低音部の順に改善した. 132日目のオージオグラムは全く正常となつた. 自記オージオグラムは初診時のT.T.S. はそのまゝでついで振巾が縮小し, やがてT.T.S. はなくなつて振巾縮小のみとなつた. 132日目には振巾縮小もほとんど消失した. 温度性眼振のCPも132日目にはほとんど消失した. 顔面神経麻痺は最後まで残つたが, これも132日目には消失している.<BR>以上の検査成績から, ハント症候群の聴覚障害所見は, その時期によつて異なる可能性があること及び恢復可能のものであることを知つた.
- 社団法人 日本耳鼻咽喉科学会の論文
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