口蓋裂早期手術後の言語成績
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概要
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1986〜1987年に昭和大学形成外科において, 片側唇顎口蓋裂児10例, 男6例, 女4例に対し, 生後3〜4カ月時に唇裂と口蓋裂の同時手術を行った.これらを早期手術群とし, 同時期に唇裂を3〜4カ月, 口蓋裂を12〜17カ月に手術を行った片側唇顎口蓋裂児48例を対照群として4歳時における言語成績を比較した.<BR>(1) 鼻咽腔閉鎖機能は早期手術群は全例, 対照群は92%が良好であった.<BR>(2) 早期手術群は全例構音は正常であったが, 対照群は26例, 54%に構音障害が認められた.<BR>(3) 早期手術群の [p] , [t] , [k] , [t∫] , [∫] , [s] の構音習得年齢は, [k] を除いて対照群より早く, 正常児の構音習得年齢とほぼ同じであった.<BR>(4) 早期手術群の始語年齢, 二語文発話年齢の平均は対照群より早かった.<BR>以上の結果より言語面からみると早期手術は有効であったといえる.
著者
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大久保 文雄
昭和大学医学部形成外科
-
加藤 正子
昭和大学医学部形成外科
-
岡崎 恵子
昭和大学医学部形成外科
-
鬼塚 卓弥
昭和大学医学部形成外科学教室
-
林 雅裕
鶴岡市立荘内病院形成外科
-
加藤 正子
昭和大学医学部付属病院形成外科
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