融解チオシアン酸カリウム中でのウラニルイオンの沈殿
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概要
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190℃の融解チオシアン酸カリウムに溶解した数種金属イオンの濃度と加熱時間との関係を調べた.<BR>その結果,ウラニルイオン以外のカドミウム,鉛,ネオジムイオンなどの濃度についてはそれぞれこの融液中で10時間以上の加熱時間による変化はみられない.これらに対して,ウラニルイオン融液では,ある加熱時間後に融体との化学反応によって黒色沈殿が生成し,その濃度は加熱時間とともに減少する.生成した黒色沈殿は化学分析の結果,U:76.8,S:10.6%からなり,これらの値は硫化ウラニル(UO<SUB>2</SUB>S)のものとよく一致していることがわかった.<BR>他の金属イオンをウラニルイオンとともにこの融体に溶解し,190℃で長時間加熱によって得られる黒色沈殿中の他の金属イオンの含有率は次のとおりであった.<BR>Cd:1.86,Pb:4.36,Ce:6.97,Nd:8.47%<BR>これらのイオンはウラニルイオンと共沈することによって混入するものと考えられる.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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