溶液法けい光X線分析における強度比法の拡張 : 黄銅中の銅,亜鉛の分析への応用
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概要
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銅と亜鉛はK<SUB>α</SUB>線の波長が近接した関係にある2元素であり,これらのK<SUB>α</SUB>線の強度比をとると,個々のK<SUB>α</SUB>線の強度に対する共存元素による吸収,励起効果などの影響が消去され,銅,亜鉛の濃度比が一定ならば,その値はほぼ一定となる.しかも,この強度比とこれら2元素の濃度比との間に,実験的に直線関係が成立するので,これら2元素の濃度比は,強度比の測定から容易に求めることができる.分析試料における銅と亜鉛の量をそれぞれ<I>x</I>,<I>y</I>%とする.この試料溶液そのもの,および<I>W</I>gの試料に<I>w</I>gの亜鉛を添加して調製した試料について,実験から求めた濃度比をそれぞれα,βとすれば,<BR>α=<I>x</I>/<I>y</I>,β=0.01<I>x</I><I>W</I>/0.01<I>y</I><I>W</I>+<I>ω</I><BR>の関係から,共存元素の影響なく銅,亜鉛を定量することができる.実際に黄銅に応用した結果,ニッケルの含有量が0.5%以下の場合は実用性のある結果が得られた.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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