誘導結合高周波プラズマを用いた排水中の微量重金属の発光分光分析
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概要
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誘導結合高周波プラズマを光源として,工場排水中の微量重金属の発光定量を検討した.分析条件におけるプラズマの励起温度を,鉄の原子線を用いて測定したところ,2種類の遷移確率値より5560K,6280Kが得られ,全体としてイオン線のほうが強く発光した.感度を原子吸光法と比較すると,一酸化物を形成して解離しにくい元素に関しては(10〜100)倍,他の元素は同程度であった.ナトリウムによるイオン化干渉は観察されなかったが,300ppm以上共存すると粘度の増加に伴ってプラズマへの導入量が減少し,発光強度が低下した.中和沈降処理用の凝集剤の共存も,同様に強度を減少させた.スカンジウムを内標準として導入量を補正し,溶媒抽出などの特別な前処理なしで実際試料を分析した結果,2%以内でJIS法による分析値と一致した.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1979-04-05
著者
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