カルボン酸類による非水滴定の研究 : チオフェンなどの有機イオウ化合物の電導度滴定
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概要
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無機イオウ化合物(硫化水素,亜硫酸ガス)を安息香酸などのカルボン酸類や,EDTA,NTAなどのアミノポリカルボン酸を用いて,非水溶媒<I>N</I>,<I>N</I>-dimethylformamide(DMF)中で電導度滴定を行なうことはすでに報告したが,同様に有機イオウ化合物{エチルメルカプタン,チオフェン,2-メルカプトベンゾチアゾール(MBT),チオオキシン,ルベアン酸}を安息香酸およびEDTAによる電導度滴定により定量することを目的とし,あわせてベンゼン中のチオフェンの定量への応用を検討した.有機イオウ化合物のDMF溶液一定量をカルボン酸のDMF溶液を用いて電導度滴定を行なった結果,チオフェン:安息香酸=2:1,1:1,チオフェノール:安息香酸=2:1,1:1の結合比を得た.あわせてスルホラン溶媒中でも検討したところ同様の結果を得た.安息香酸と他の有機イオウ化合物との結合比は安息香酸:イオウ化合物は1:2,1:1;ジチゾンは1:2;ルベアン酸は1:2,1:1であった.またEDTAとの結合比は,チオフェンは1:1;チオフェノールは1:1;MBTは1:2,1:1などを得,マレイン酸についても,チオフェンは1:2,1:1;チオフェノールは1:2,1:1;MBTは1:2,1:1などの結合比を得たが,スルホラン溶媒中でのマレイン酸は,チオフェンは1:4,1:2;チオフェノールは1:4,1:2とDMF中とは異なった結合比を得た.またベンゼン中のチオフェンを定量するために,チオフェンのベンゼン溶液一定量をとり,これに10倍量のDMFを添加し,EDTAのDMF溶液を用いて電導度滴定を行なった結果,定量可能であった.
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