氷の融点に於ける粒界三叉交線での水脈の発達 : 湖氷の氷紋噴出孔生成機構に関する実験的研究
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概要
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氷を融点に保てば, 3つの単結晶が接する粒界三叉交線が融けて, その部分が水脈 (水管) になると考えられている.しかし, このことは光線の照射がある場合や, 不純物の影響が顕著な場合以外は実証されていない.そこで, この存在を実証すると共に, その水脈を通って, 水が流動し得るか, 水脈の太さは経過時間と共にどのように変化するかなどを実験的に調べた.<BR>蒸留水氷を長時間融点に保ち, 水脈の発生と, その水脈を通っての水の流動を確認すると共に, 融点に保ち始めてからの経過時間<I>t</I> (h) と, 水脈の平均直径<I>D</I> (μm) の拡大との関係を調べた.その結果, 水脈のおよそのサイズを与える実験式<I>D</I>=2.61<I>t</I><SUP>0.56</SUP>を得た.なお, 不純物氷 (水道水氷および湖氷) を用いて, 同様の実験を行った結果, 水脈の太さに不揃いを生じること, 並びに, 水脈の太さの拡大速度が, 蒸留水氷の場合より著しく大きいことを確めた.また, 光線の照射が水脈の太さの拡大を促進する効果を調べた.そして, 湖氷に見られる放射状氷紋 (本文の写真1〜4) の形成状態との対応について考察した.
- 社団法人 日本雪氷学会の論文
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