特発性副甲状腺機能低下症の2例
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概要
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症例1. 39才,女. 5年前に発症したテタニーと,皮膚知覚異常を主訴として来院. Drakeの診断基準を満し, Ellsworth-Howard試験は, 5.4倍の反応を示した.心電図,筋電図,脳波にも異常所見が認められていたが, vitamin D2の使用により,臨床症状,検査所見とも,著明に改善した.症例2. 11才,女.既往歴に甲状腺機能亢進症(10才)があり,右腎の形成不全を認める.家族歴に甲状腺機能亢進症がある.てんかん様発作を主訴として来院.臨床所見,検査所見,いずれにも症例1より強い変化を認めたが, vitamin D2を中心とする治療によつて回復した.症例2のEllsworth-Howard試験では, 7.0倍の反応が見られ,同時に測定した尿中cyclic AMP排泄量は, PTH静注前, 0.26〜1.5nmo1/分に対して,静注後は最高101nmol/分に達し, Chaseらの報告と良く一致した.本疾患は,比較的希とされているが,自験例を含め,本邦での報告数は72例であつた.内容は,男24例,女42例,不明6例であつたが,特定の年代に集中して発症する傾向は見られなかつた.
著者
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芹澤 剛
東京大学医学部第二内科
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藤田 拓男
東京大学医学部老年病学教室
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吉川 政己
東京大学医学部老年病学教室
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河津 捷二
東京大学医学部第三内科
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吉川 政己
東京大学医学部老人科
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藤田 拓男
東京大学医学部冲中内科
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河津 捷二
東京大学医学部老人科
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