眼窩のpseudolymphomaを主病変として経過したmacroglobulinemiaの1例
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概要
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Macroglobulinemiaは現在定義が困難とされ,臨床的にも病理学的にも幅の広いものとされており,その本態の解明には個々の症例の積み重ねが重要と思われる.今回われわれは61才,男性で,血沈亢進とX線像上右肺門部腫脹をきたし,血清中にλ型IgMが増加し,縦隔リンパ節生検標本でpseudolymphomaの像を呈したmacroglobulinemiaの症例を経験した.本症例は約4年前より眼窩のpseudolymphomaを経過し,その組織像は今回検索した縦隔リンパ節の組織像と類似していること,また眼窩腫瘤出現時血清梅毒反応が生物学的偽陽性を呈したことなどより,当時から単クローン性マクログロブリンが産生されていたと推測される.その後本症例は胸水が貯留し胸水中よりも単クローン性マクログロブリンが認められた.サイクロフォスファマイド,プレドニゾロン投与により右肺門部陰影の縮小,血清,胸水中の単クローン性マクログロブリンの減少が認められ一般状態も良好に経過している.眼窩のpseudolymphomaを主病変として経過し, macroglobulinemiaに発展した症例は文献的にも希であり興味ある臨床例と思われる.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
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外山 圭助
慶応義塾大学内科(五味内科)
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五味 二郎
慶応義塾大学内科(五味内科)
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鳥飼 勝隆
慶応義塾大学医学部五味内科
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青木 誠
慶応義塾大学医学部内科
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山前 邦臣
慶応義塾大学医学部内科
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青柳 昭雄
慶応義塾大学医学部内科
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五味 二郎
慶応義塾大学医学部内科
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外山 圭助
慶応義塾大学内科
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青柳 昭雄
慶応義塾大学内科
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