鼻腔内髓膜瘤に続発した化膿性髄膜炎の1例
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概要
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髄膜炎菌及びインフルエンザ菌以外の急性化膿性髄膜炎は,すべて原病巣急有する二次的な髄膜炎である.われわれは鼻腔内髄膜瘤によって再三髄膜炎に罹患し, 16才まで生存し得た1症例を経験し,化学療法施行後外科的に手術し救命し得た.先天性髄膜瘤は3,500〜4,000人に1人の割に発生し,鼻腔内の場合は更に稀で,しばしば鼻茸,線維腫等と誤診され,化膿性髄膜炎に罹患し死亡することが多い.鼻腔内髄膜瘤の診断は生下時より存在し,眼間距離が広く,鼻根部が隆起し,鼻閉塞の症状があり,鼻茸と似ている.髄液性鼻漏があれば頚静脈圧迫,頭部の下垂等で鼻漏は増加し,髄液と同定するには糖含有量を測定することがよい.本症を放置しておけば髄膜炎を起こすことは必発で,化学療法によつて容易に治癒しても髄膜炎を反復することが特徴である.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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