第II編止血機構におけるセロトニンの意義に関する研究
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概要
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近年血液セロトニンの止血機構における意義につき種々論議されている.著者は本問題を究明する目的で,血小板減少を伴なう諸種血液病その他若干の疾患につき,著者自身の工夫を加えた方法を利用し,寡血小板血漿および分離血小板につきセロトニン量を測定した.まず血漿セロトニン量については,ときとして増加あるいはその傾向が見られたが,出血傾向の程度との間に相関関係が認められなかつた.なお血小板減少が高度なるにかかわらず,出血性素因の現われなかつた2症例においては血漿セロトニン量は測定限界値以下であつた.また血小板数と血漿セロトニン量との間にもなんら相関関係が認められなかつた.以上の成績より,セロトニンの止血機構における作用にあまり大きな意義を認めがたい。
- 社団法人 日本内科学会の論文
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