妊娠中毒症の凝血学的変化 : とくに出生体重との関連について
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概要
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妊娠中毒症からSFD児の出生が多いことは周知の事実である.著者らは凝血学的立場よりSFD児出生の原因を追究するために, 妊娠中毒症の凝血学的変化と出生体重との関連を検索し, 次の成績を得た.1.妊娠中毒症では正常妊娠に比し, 出血時間の有意の延長(p<0.01), 血小板敷, フィブリノゲン量, 血漿第XIII因子の有意の減少(p<0.01), 血清および尿中FDPの増加, 血小板ADP凝集能および血小板拡張能の有意の亢進(p<0.01)を認めた.2.出生体重との関連をみると, 出血時間(min)はSFD児出産群5.8±1.5, AFD児出産群4.5±1.3, 血小板敷(×10^4/mm^3)はSFD児出産群20.4±3.17, AFD児出産群23.4±4.21, フィブリノゲン量(mg/dl)はSFD児出産群296.5±58.5, AFD児出産群346.8±50.4, 血清FDP(μg/ml)はSFD児出産群22.0±21.4, AFD児出産群12.3±6.5, 尿中FDP(μg/ml)はSFD児出産群1.3±0.80, AFD児出産群0.6±0.63といずれも相互間に有意の差を認めた(p<0.05).以上の結果より, 妊娠中毒症は凝血学的にはchronic DICの様相を呈しており, 出生体重との関連をみると, SFD死出産群はAFD死出産群よりその傾向がつよく示唆された.また, 妊娠中毒症におけるこのchronic DICの状態は胎児の発育障害の一因をなしているとも考えられる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1981-08-01
著者
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