部分肝切除後の肝再生におけるinsulin-like growth factor-Iの血中動態について
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概要
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細胞成長因子のひとつであるinsulin-like growth factor-I (IGF-I)が肝再生にどのように関与しているかを明らかにするため,部分肝切除施行後のラット血清IGF-I濃度をradioimmunoassay法にて測定した.70%部分肝切除後のラット血清IGF-I値は,術前2.79±0.28pmol/mlに比して12時間後に1.45±0.12pmol/mlと最低になったが,その後肝重量の増加とともに漸増した.また同時に測定したインスリン値はIGF-I同様12時間後に最低となった後増加し,グルカゴン値は6時間後より増加した.IGF-Iとインスリンは極めて類似した血中動態を示し,両者間には有意の正の相関が認められた.対照として用いたsham operation群では,IGF-I,インスリン,グルカゴンのいずれにも有意の変動はみられなかった.以上より,IGFIは部分肝切除後の肝再生に際して,インスリンと同様肝細胞の増殖を促進している可能性が示唆された.
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