肝疾患における血清Adenosine deaminase活性測定の臨床的意義 : とくに血清III型プロコラーゲンペプチド値,肝組織所見との対比
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概要
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各種肝疾患において血清Adenosine deaminase (ADA)活性を測定し,各種肝機能検査成績,血清III型プロコラーゲンペプチド(P III P)値および肝組織像との対比を行った.<BR>ADA活性は,脂肪肝,急性肝炎,慢性肝炎,肝硬変,肝癌,原発性胆汁性肝硬変症の何れの肝疾患においても健常人より高値を示した.また,ADA活性はGOT, P III P, TTT, γ-グロブリンとの間に正の相関関係を,コリンエステラーゼ,LCAT活性との間に負の相関関係を示した.さらに,血清ADA活性は慢性肝炎,肝硬変において,その病態が重症化するに従ってより高値を示し,肝組織所見との対比では,肝の炎症性細胞浸潤および線維化の程度を反映して上昇しており,とくに血清P III P値よりも線維化の程度を良好に反映していた.以上より,血清ADA活性は急性肝炎において肝細胞障害を反映するとともに,慢性肝疾患の組織学的重症度を反映する有用な臨床的指標であると考えられた.
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