HBe抗原抗体系の臨床的検討

概要

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HBs抗原陽性者98例におけるHBe抗原抗体系の動向について検討した.HBe抗原陽性者は24例(24.5%),HBe抗体陽性者は65例(66.3%),両者陰性者は9例(9.2%)であった.女性は男性に比し40歳以上でのHBe抗原陽性率が著明に低下していた.HBe抗原陽性者はHBs抗原価2<SUP>9</SUP>以上に,HBe抗体陽性者は2<SUP>8</SUP>以下に多く認められた.HBe抗原抗体系を経時的に検索し得た35例中10例にseroconversionがみられ,そのうち6例は2回以上のseroconversionが認められた.seroconversionを繰り返した慢性肝疾患の急性増悪期においては,次のような傾向が認められることが多かった.HBe抗原はHBs抗原価が上昇後ピークに達した時点で陽性となり,ほぼ1カ月遅れてtransaminase値がピークに達した.その後HBs抗原価,transaminase値の下降につれてHBe抗原からHBe抗体へのseroconversionが認められた.