四塩化炭素による実験的肝障害の電顕的,生化学的研究
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概要
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フェノバルビタール前処置ラットに四塩化炭素(CCl<SUB>4</SUB>)を投与し,広範な肝細胞壊死を惹起させ,ラットの死亡率および経時的な肝の組織変化を光顕ならびに電顕下に観察し,同時に血液化学的変化を検索した.光顕的な変化は四塩化炭素投与後24時間から48時間にかけて最大であり,広範な小葉中心性壊死を示した.ラット死亡もその時期が最大であり,四塩化炭素投与後5日間のラット死亡率は56%であった.四塩化炭素投与24時間後のプロトロンビン時間,mGOT値,sGOT値,OCT値はフェノバルビタール前処置群で著しい高値を示し,非前処置群に比し有意の上昇がみられた.経時的な肝細胞の電顕的な観察では,四塩化炭素投与後早期よりみられる滑面小胞体の凝集と,その中にみられる電子密度の高い物質の出現が特徴的であり,これが四塩化炭素による肝細胞壊死につながるものと推測された.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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