Transcatheter arterial embolization療法の基礎的検討-正常犬における塞栓後の肝動脈,肝機能および肝組織の変化について-
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概要
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正常雑種犬28匹を使用し,Gelfoamの小片を用いてtranscatheter hepatic arterial embolizationを行なった.28匹中,22匹が術後生存し,6匹は術後1週間以内に死亡した.血管造影所見では,閉塞した肝動脈は術後1週間で再疎通しているのが認められた.生存した犬の肝機能検査では,術後3日目にtransaminaseが最高値を呈し,術後3週目にはほぼ前値近くまで回復した.組織学的検索では,肉眼的には摘出肝の一部に小梗塞巣が認められる例もあり,光顕的には同部は凝固壊死の所見であった.また,肉眼的には著変を認めなかった部も,centrilobular necrosisの所見があり,術後期日が経つと共にその程度は軽減していた.死亡犬では,生存犬よりtransaminaseの上昇が高度で,組織学的にも,ほとんどの小葉内に高度のcentrilobular necrosisの所見であった.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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