急性肝炎様症状により発見されたB型肝炎の予後の再検討

概要

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昭和50年1月より,52年6月までに入院した輸血の既往のないHBs抗原陽性の急性肝炎様症状により発見された43例につき検討した.<BR>対象の肝炎を初診時のHBc抗体価の高低と持続,HBs抗原の持続または一過性により4群に分類した.I群はHBc抗体が陰性もしくは低力価(29>)で経過とともに上昇し,HBs抗原一過性陽性群で35例,II群はHBc抗体価が高く(210<)持続し,HBs抗原一過性の3例,III群はHBc抗体が高力価で持続し,HBs抗原も持続性の5例,IV群はHBc抗体が低力価で経過とともに上昇し,HBs抗原は持続性のものとしたが,この群は認められなかった.<BR>3群を比較するとI群10例の肝生検像はいずれも急性肝炎,III群は5例のうち4例が慢性肝炎活動性,1例は急性肝炎であった.またIII群はI群に比しZTT, AFPが有意に高かった.II群の組織像は慢性肝炎活動性,急性肝炎の各1例で,検査所見はI群とIII群のほぼ中間値を示した.6ヵ月以上の経過観察により,III群の4例に,トランスアミナーゼの再上昇がみられた.