乳がん患者の術前・術後・退院後におけるPOMS と TEG, 疾患の受け止め方との関連
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概要
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【背景と目的】手術をうける乳がん患者における POMS (Profile of Mood States) 得点と TEG (東大式エゴグラム) 得点, 疾患の受け止め方との関連を明らかにする.【患者および方法】対象は手術をうける乳がん患者のうち, 研究協力に承諾が得られた患者10名とした.方法は術前・術後・退院後の3回, 約30分の面接と市販のPOMS質問紙と TEG 質問紙を用いて留め置き, 後日回収した.【結果】10名のうちTEGのAC (adapted child) 優位タイプである2名はPOMS検査の中で3尺度 (不安・抑うつ・混乱) において, 術前・術後に高値を示し, 3回の面接時, 2名とも術後は「傷は見たくない」と言い, 退院後は「服をきているから大丈夫」というように, 乳房切除後の受容が遅れ, 過剰に適応していることが明らかになった.10名のうちPOMS6尺度のいずれかに, また術前・術後のいずれかに高値を示した者は6名であった.6尺度の平均値を比較すると, 「緊張-不安」尺度における術前の平均値は術後よりも高く (p<0.08), 「活気」尺度における術後の平均値は術前より高く (p<0.08) なっていた.【結論】1.乳がん患者のPOMS得点は「緊張-不安」尺度が術前は術後より高く, 「活気」尺度が術後は術前より高くなっていた.2.POMS得点のうち, 「緊張-不安」「抑うつ」「混乱」尺度において高値を示した2名のTEGタイプはAC (adapted child) 優位タイプであった.3.TEGにおいて, FC (free child) 優位タイプ・AC (adapted child) 優位タイプの3名はPOMS尺度の3尺度以上において, 術前・術後・退院後のいずれかにおいて, T得点60以上が3-9個と多くなっていた.4.乳がんについての受け止め方は, 術前の不安が強く, 術後は傷を見ることが遅れ, 退院後は「服を脱がなければ大丈夫」という過剰な適応傾向があったのはTEG・ACタイプの2名であった.
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